象嵌の起源から京都での発展まで

象嵌の起源は西欧。その歴史は古く紀元前三千年前後期頃には、青銅器に銅象嵌を施した工芸品が見られる。その技術がシルクロードを通って中国に伝わり、日本に伝来したのは、詳しくは定かではないが古墳時代になってから。平家没落後、その落ち武者の隠棲地に伝承されてきた。その後、江戸時代、肥後熊本にて盛んになり名工も生まれたそうである。京都で象嵌が盛んになったのは江戸末期。それが明治初期、廃刀令の発布があり象嵌職人は仕事がなくなりかける憂き目に。象嵌は元々、刀の鍔など武具の装飾に使われるのが主だったのである。が、そこは京都人。象嵌の技術を舞妓の帯締めなどの小物や、美術品など日本で初めて武具以外に生かすことを見出した。それ以来、戦争前後の厳しい時代を通り抜けながらも伝統工芸品として現在に至るのである。ちなみに、店には社長が研究した象嵌の歴史を集めた資料室があるので、そちらも是非ご覧頂きたい。

京象嵌とは?

そもそも象嵌とは何なのか?その答えは字を見れば分かるのである。模様を「象」りながら「嵌」めるから、「象嵌」というのだ。詳しくいうと象嵌とは一つの物質に異なった素材の物質をはめ込む技術と製品を総称した言葉のこと。さらに京象嵌と呼ばれるものは鉄生地に純金・純銀をはめ込んだもので、これを金工象嵌と呼ぶ。そして、象嵌を制作する技術にも様々な手法があり、ミリ単位の細かい仕事が施される布目象嵌という技術が京都では用いられている。布目象嵌によって作られる金工象嵌、それを京象嵌と呼ぶのである。