うちわの起源

その起源は意外に古く、紀元前 3世紀には中国で存在していたと言われている。日本に伝来したのは六・七世紀ごろ。当時の壁画に、団扇と思しきものを持つ人物が描かれている。その時代は、現在のように暑さを凌ぎ涼をとる道具としてだけでなく、貴族が顔を隠すための翳(かざし)としても用いられていた。 また虫を追い払うという実用的な行為が、邪気や悪霊を打ち払う魔除けに通ずるとして、儀礼的な側面も強く併せもっていたのである。そして今日のうちわのルーツは、中国月扇、朝鮮団扇、南方系葉扇の3系統。16・7世紀頃には、現在のような、紙と竹を材料にする団扇の基本形が生まれ、その後日本各地で技巧的にも凝った華やかなものが作られるに至ったのである。



京うちわとは?

団扇作りが盛んになるなかで、京うちわとしての分類がされたのは江戸初期頃のこと。中国、朝鮮の流れを汲むと言われ、団扇面と把手が別に作られ、細骨を一本ずつ放射線状に並べて、後から柄をつける差し柄の構造になっているのが大きな特徴だ。装飾性に富み、精巧な技術、繊細な図案で「都うちわ」とも呼ばれ、以前は宮中でも用いられてきた。 また、材料へのこだわりも一方ならぬもの。特に竹は、寒冷地でしかも平地で4〜5年育っている、などいくつかの厳しい条件を満たした真竹のみを使用する。飾ってよし、使ってよし、まさに「用の美」を体現した逸品が京団扇なのである。ちなみに讃岐うちわ、房州うちわと並び日本三大うちわの一つなのだそうだ。