歴史を重ね、未来に挑戦

人と石との出会いは、遙か古墳時代にまで遡る。石室や石棺に始まった石工の技術は、その後仏教伝来によって目覚ましい進歩を遂げ、銘石の各産地から数多くの石職人が生まれた。京都の銘石といえば白川石。芳村石材店も、享保年間に白川の地で創業。以来、建築土木関係を中心とする石工事を手掛け、数多くの寺社仏閣・歴史建造物にその名を刻んできた。 こうした 250年を超える長い歴史を支えてきたのは、職人一人ひとりの石への思いと技術力、そして「お客様大事」の家訓が示すとおりの、顧客を思う真心であったのだろう。そして今、その力はさらに厚みを増しつつある。常務取締役の山田俊行氏がこの世界に入ったのは 5年前のこと。前職はまったく畑違いの広告業界。しかし、逆に企画・デザインの経験が功を奏した。

設計や見積もりのシステム化によって大幅な効率化が実現。さらには全社員一丸となって、技術革新と企画力の向上に力を入れているという。「過去と未来を繋ぐ鎖の一つとなって伝統を守りながら、常に先を見つめ時代に即した方向性をも模索していきたい」と山田氏。二十一世紀元年は、芳村石材店にとってよりいっそうの飛躍の年となりそうだ。

独自のノウハウと企画力でプロデュース

よく石に見せた壁やオブジェをみかける。しかし、それらは眺めているうちに、どこか表面的なうすっぺらさを感じさせる。本物の石には、重厚感と存在感、そして何より自然を感じさせる温もりがある。芳村石材店は、こうした石の魅力を最大限に生かしながら、顧客の希望にあわせてあらゆる石製品を設計施工。岡崎、出雲など国内の石産地ならびに、中国など海外の石産地との独自のネットワークで、石工の種類に合わせた技術と職人をコーディネイト。安心できる価格で、より質の高い仕事を約束してくれる。

たとえば、石仏を作る場合は、顧客の希望をもとにイメージ図と設計図を作成。それをもとにレプリカを作らせて中間チェック、そして本加工に臨む。さらに、できあがった作品を再度チェック。仕上げの細工は岡崎の熟練職人が直接手掛けるという具合だ。手間を惜しんでは、価値あるものは生まれてこない。本物のよさは伝わらない。こうしたこだわりが、独自のノウハウと世界規模のネットワークを誇る“プロデューサー”としての芳村石材店を支えている。