お店外観

 

お店紹介

修正しているところ 野崎つづれのふくさは、図案から完成まで一貫して自社製作されています。これまでは図案や紋の設計図を紋紙に打ち込み、この紋紙を使ってジャカード機で織ってきました。最近では原画をスキャナーで読み込みパソコン上で設計図を作成、紋紙の代わりにデータの入ったフロッピーディスクが使われるようになってきています。写真は、図案の原画をスキャナーで取り込み、パソコン上で細部を修正しているところ。

職人さん 「うちのふくさは最高級の絹糸を使用し、熟練した職人さんが織るので、生地のつやや風合いが全然違います」と、常務の野崎浩さん。その言葉から商品への揺るぎない自信と誇りが感じられます。写真は、結納の際の掛けふくさとして使う、本綴式ふくさ。表に家紋、裏に模様が入ります。模様は主に松や鶴、高砂などが描かれます。ちなみに結納にふくさを使うのは略式で、関西独自の習慣だとか。儀礼用品はセットで求められることが多く、結納用ふくさにはつづれ織大寸・中寸が、盆は輪島塗、越前塗など、風呂敷は白山紬、ちりめんがあります。
その他つづれ織の商品では、金封ふくさや念珠袋、最近では名刺入れや札入れ、保険証入れもあります。

祝ふくさのもつ意義

ふくさは、公家や武家の社会で進物用の品の上に塵除けとして掛けられたのがその始まりで、江戸後期には広く一般にも普及したといいます。明治の末頃より家紋を意匠とするふくさが作られるようになり、結婚する息子には親が家紋入りのふくさを持たせました。親が家紋を息子に託し、息子はその家の家紋を背負う心構えをする。ふくさはいわば親と子の絆を象徴するものだといえます。

昔から、人生の節目における様々な儀礼を大切にしてきた日本人。ふくさなどの儀式用品は、恩義を尊び礼を尽くす日本人の心を表すものとして生まれてきたのです。儀式は単なる形式ではなく、それぞれに大切な意味が込められたものです。最近は結婚も入籍だけで簡易に済ませるカップルが増えているようですが、結婚は当人たちだけの結びつきではなく、家と家とが結ぶことでもあります。結納や結婚式は両家の家族や親族に対して筋目を通すための大切な儀式。祝ふくさを通してそうした儀式を執り行うことの大切さを感じてもらえれば、と野崎さんはいいます。

21世紀へ向けて

御主人 20世紀の終わり頃からさかんに心の問題について説かれるようになりました。人と人との関係が希薄になってきている今、何か心の拠り所となるものが求められているのかもしれません。

「特に若い人には、今一度昔からある儀式に目を向けてその意義を考えてほしい。結納や贈答の儀式を通して、ものを贈り贈られる心をもっと多くの人に知ってほしい。それにはまずふくさというものの意味合いを知ってもらうことが必要だと考えています。これからもつづれ織の良さを伝えるとともに、ふくさへの認識を広げていくべく地道な活動を行っていくつもりです」と、野崎さん。 また織物を学ぶ若い人達に対し、「織物は大変根気の要る仕事だけれど、その緻密な仕事から見事な作品を生み出していくことのすばらしさを感じてほしいと思います。とりわけふくさは、決して消耗品ではなく後世に残る品物。そのことにぜひ誇りを持ち取り組んでいってほしいですね」とエールを送っています。