阿以波の仕事

阿以波(あいば)の創業は310年ほど前。この店の歴史すなわち京うちわの歴史と言えるほど。時代の変遷とともにうちわの需要が減り、同業者の多くが「廉価で大量生産」の道に走った中で、全て職人の手作りというスタンスを今も貫いている。そこには、「うちわは買うものではなくてつくるもの」という創業以来の阿以波の根本的な考えが見える。お客さまがどのような背景でうちわを求めているかによって、作り手がどんな物がいいか一緒に選び、もし既存のものにないならば誂える。

大量生産にはできないきめの細かい配慮を窺うことができる。もちろん伝統という言葉に縛られるのではなく、新作も随時製作。現在の京うちわの代表格、透かしうちわも実は戦後考案されたものだ。加えて、「うちわだったら何でも作れる」という自社製品に対する圧倒的な自信と技術を背景に、将来的には服飾や建築とのコラボレーションなど、京うちわの新しい在り方も探求している。