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職杜氏
酒造りにコンピュータを導入する蔵元が増えるなか、ここ増田徳兵衛商店では、昔ながらの製法で酒造りを行っている。米、水の選別、管理から麹や酒母の用い方など酒造の判断まで、そのほとんどの采配を杜氏が振るい、蔵人がそれに従う。「酒が好きだからね。だからこの仕事を続けられて幸せですよ」と中村杜氏は微笑むが、酒造りはそれほど容易ではないはず。
一つの酒蔵に杜氏は一人。いわば酒造集団のトップが杜氏なのだ。長い年月、酒造りに携わり、すべての工程を自分の感覚で管理する必要がある。時代とともに、米の質や麹、酵母も変化し、それに合わせた酒造りをしているのだと、中村杜氏はさらりと言う。信じられるのは自分の目、舌、感だけ。だからこそ、どんなときも、必ず自分の目で確かめるのだと。年々杜氏の数が減少していくなか、増田徳兵衛商店では、後継者育成にも力を注いでいる。伝統の味を守り、伝えていくことを大切にしているからこそだろう。
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