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現在では全国でも少なくなってしまったという象嵌の職人。川人象嵌では5人の職人さんが働いている。彼らが日々取り組む象嵌の製造工程は大まかに5つに分けられる。まず鉄生地の表面にタガネで細かく溝を刻んでいく。1ミリ以下の細かい線も全て手仕事。その溝に純金・純銀を置き模様を象りながら打ち込んでいく。線が細ければ細いほど、模様が多ければ多いほど、その作業は複雑で慎重さを要するものとなる。ここが象嵌作りの要となるところだけに、尋常ではない集中力、精神の統一が必要とされ、一日が終わる頃にはへとへとになるほど疲れるのだそうだ。錆止めや漆焼きを経て、漆黒の輝きを得たところで金銀を研ぎ出し、最後の仕上げで模様を毛彫りして、やっと完成するのである。こうした仕事を1人前にこなすようになるのにかかるのは5年ほど。象嵌の緻密さ、精巧さを見ると、商品に取り組む集中力と正確な技術を身に付けるには
それぐらいの年月は必要だろうと思わされてしまうのである。
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